Synregistic Research Master Control Center III

                        

Synergistic Researchのアクティブシールディング専用電源装置です。内部回路がモジュール式となっているタイプの最後のモデルです。このモデルの次のSynergistic ResearchのラインナップではQuattroという名称に変わり、筐体のサイズが約1/3にまでコンパクト化しました。


Synergistic Researchの初期のインターコネクトやその後のXシリーズにおける電源ケーブル群には、ケーブル外皮に電気を通してシールドを強化する機能が付加されており、標準でACアダプタータイプの電源が付属しています。この製品は、そのACアダプターと取り替えて使う物で、デフォルトのモジュール1個なら6本、またはモジュール増設により最大12本のケーブルを接続する事が可能です。


標準付属のACアダプターからMaster Control Center IIIに替えると、アクティブシールディングをONにした時の変化を大きくする方向へ変化します。また、Master Control Center IIIに使用する電源ケーブルの特徴が上乗せされます。例えば、セットで購入したResolution Reference Mk2 AC Master Coupler X-Seriesであれば、音の背景がぐっと静かになり、芯のある音像が左右に一回り広い空間に浮かび上がりますし、MITのZ CORD IIIなら、音像に対して彫りの深い空間表現になって音像定位の立体感が増します。向き不向きは当然ありますがこの電源ケーブルによる変化はなかなか馬鹿に出来なくて、下手をすると1〜2ランク上位のケーブルを使用するような質感が得られます。


一つ前の型のMaster Control Center IIとは、モジュールがMk1-Moduleから最新のX-Moduleに変更になった以外、せいぜい基板の色が濃くなった程度の違いしかありません。音は少し細身で神経質だったものが、Master Control Center IIIでは高域のピーク感が減少しフラットバランスな印象に変わります。それがQuattroになると、音像を空間に浮き立たせる立体感よりもディテールの細部や弱音を際立たせる傾向に変化します。いずれも小さな好みの差ですので、筐体の小さなQuattroの方が使い易いと思います。

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