Synergistic Research Designer's Reference SQUARED Master Coupler

                        

MIMESIS 28 EVOLUTIONに使用中の電源ケーブル。米国Synergistic Research社の最上位モデルです。


アクティブシールドが採用される以前の、メーカー初期モデルです。後継はアクティブシールド採用のDesigner’s Reference SQUARED Master Coupler X-Series、そしてスクエアクラスの集大成とも言えるAbsolute Reference A/C Master Coupler X2-Seriesへと至り、TESLAシリーズへと続いています。TESLAシリーズに関しては、例のごとくTAK LABのクラシック鑑賞日記をご覧下さい。そしてまた欲しくなって下さい。そしてやはり買ってしまえ。


メーカー初期製品ならではの、暴れ馬的に突き抜けた個性を持っています。あっけらかんと余裕で途轍も無く低い所まで沈み込む低域と、鮮やかな色彩に富んだ中高域、明確な一点から音を発しながらもあふれんばかりに広く拡散する響き、それらが怒濤のごとく押し寄せながらも、音像は一つのシルエットとしてまとまり、品位の高いしなやかさを感じさせます。


二代目たるSQUARED X-Seriesは、真っ直ぐブレずに深くまで伸びる低域と、上下左右に広大な音場、明確だが若干線の細い音像描写が特徴でした。三代目のAbsolute ACは、どこまでも低く深く伸びる見通しの良い低域を基本に、広く深い音場に精緻な立体音像が明確に定位します。どちらもアクティブシールド特有の空間の静寂があり、微粒子的なディテールが固定化されるように音像へ集約する傾向があります。その点、初代のSQUAREDは、音の中心は明確ながらも膨大な情報量が自由奔放に拡散することで開放感を感じさせますので、アクティブシールドとはまた違った個性的な魅力を感じます。


この洪水のような情報量はELECTRA GLIDEのFATMAN 2000 GOLDに通ずるものがあり、一つ二つ不足する要素でもあれば音が暴れて収拾がつかなくなる危険性も孕んでいます。


ACプラグはオス側がWattagateの金メッキ。メス側はおそらく真鍮製です。後継機でも他のモデルでもWattagate製プラグのロットは見ませんでしたので、この個体はかなりの珍品です。

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