Kimber Secect KS-3033

                        

Confidence C2とMIMESIS 28 EVOLUTIONを繋ぐスピーカーケーブル。米国Kimber社のSelectシリーズにある銀・銀銅ハイブリッド・銅というラインナップ中の銅線モデルに、片側のYラグをWBTの銀モデルへ交換した特注品です。


ノンシールドと編み込みの本家であるKimberですが、Selectシリーズはそれを匠の域まで極めたものです。ケーブル自体太く見えますが、これはムダに太くなっているわけではなく、シールドを使わずにS/Nと高域特性を極限まで高めるため、プラス・マイナスの導体を直角に交差させるのに一定の径が必要になるからです。発泡樹脂等を駆使したケーブル全体の振動対策と、極薄の絶縁被服に複数の線径で芯線内部の共振すら排除する徹底ぶりです。

末端は金メッキの銅スリーブで圧着処理されており、WBTの銀ラグを指定して注文すると銀のスリーブになります。なお裏技として、アンプ側とSP側どちらか本来銀ラグを付けたい側とは逆に注文して、実際の配線時に銀ラグを付け替えると、低コストで両端に銀を仕込む事が可能です。


Kimberの法則として、銀線が何本入るかによってモデル毎の価格差がつけられています。ただし、KCAGと、ハイエンドバージョンと謳われるSelectシリーズのKS-1010で価格の逆転現象が起きている事からも、必ずしも全てが全て銀が上位というわけでもないという意味を含んだ商品ラインナップをKimber自身が行っています。


KCAGの音はまた別の機会に触れるとして、Selectシリーズの中における銅と銀の関係を整理すると、聴き込む毎に互いの特徴と補完関係が見えてきます。銅は中域を中心に弾力感のある弾むような音の出方をし、銀は高域を中心に繊細さ極まる何処までも伸びるレンジ感を出します。


SPを筆頭に各機器やケーブルとの相性、何より聴き手の感性によって評価が異なるものではありますが、あえて踏み込んで言ってしまえば、高いから、銀だから、あるいは逆に銅だから、このケーブルを入れれば良くなるはずだ・・・などという考え方を持っていると見誤ります。


銅は聴かせる中心が中域であるが故に、そこに確かに在る繊細さや開放感に気付き難くなる特徴があり、銀は聴かせる中心が高域であるが故に、繊細さや開放感に引き込まれて実体が陽炎のように感じられてしまう特徴があります。どちらもバランスを欠けば異なる意味でそれぞれの特徴に飲み込まれ、良い特徴すら埋もれることでしょう。


玄茶屋のレシピは一言、銅の中に一滴の銀を。

地に根をどっしりと下ろした土台に、弱音まで弾み弾ける開放感、響き渡る一音は天に突き抜けます。

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