Dynaudio Confidence C2

 

デンマークのスピーカーメーカー、DYNAUDIO(ディナウディオ)です。


ヨーロッパのメーカーで、カタカナが当て字しにくいとよく言われている気がしますけど、自分自身、初めて英語のメーカー名を見た時は、ダイナオーディオだかダインオーディオだか、なんて読むのかわかりませんでした。一応、日本の正規代理店の正式な呼び名としては、ディナウディオとなっているようです。まあ、元々外国の物ですから、日本語的にどう読むかなんてのはどうでもよいのですけれども、個人的にはディナウディオという呼び名は愛嬌があって好きな読み方です。


ドライバーユニット供給のメーカーとしても有名で、海外ハイエンドメーカーに採用されている例も多く、特に少し昔の有名なスピーカーなどでよく目にします。自分自身がそうなのですけれども、スピーカーとしてのDynaudioは知らずとも、ウーファーの特徴的なカットが入ったセンターキャップに見覚えがあるなんて人は結構居るのではないでしょうか?現在はドライバーユニットの供給は止めたとかで、あまり見かけません。


現在のEVIDENCEシリーズは1999年からと比較的新しいもので、Dynaudioの源流と言えるのはCONSEQUENCEだと思います。


などと知った風な事を言ってますが、EVIDENCE MASTERを幸いにも試聴させてもらった事があるだけで、CONSEQUENCEのほうは残念ながら聴いたことがありませんから、訳知り顔で断言できる事でもなかったりします。また、CONSEQUENCEの流れを受け継いだと思われるSPECIAL 25や、CONSEQUENCEが孤高のリファレンスであった頃のCONFIDENCE 5も、残念ながら聴けておりません。

したがって、見た限りの作りの違いなどからしか書く事はできないのですが、それでも、小口径ダブルウーファーの3wayを上下対象に積み上げたトーテムポールのような細長く背の高い異様な姿のスピーカーと、30㎝ウーファーを頂点に置いた倒立配置の5wayスピーカーでは、作りが違っている事など見ただけでも明白です。


まず、EVIDENCEシリーズから現在のCONFIDENCEシリーズに言える事は、とにかくエンクロージャーが細いという事です。所有していて悪く言うのもなんですが、細くするために様々な工夫がしてあり、それが必要ということは、つまり無理をしているのではないかと思うのです。CONSEQUENCEはかなりどっしりとした佇まいですし、SPECIAL 25や旧CONTURシリーズは、オーソドックスな四角い箱で、堅実さが表れているかのような姿です。特にConfidence5などは、見た目コンパクトでムダが無く、デザイン的に大変好ましく感じています。Dynaudio自身、箱は四角くしっかり作るもので、ミーハーに丸く作る事などしないといったような事を謳っていたりもしています。


堅実な四角い箱の利点は、やはりしっかりとしたエネルギー感に出るのではないかと思います。重いウーファーをきっちり動かすためには、背後に音圧をしっかりと受け止める平面が必要だという事なのかもしれません。旧シリーズでも比較的細身のトールボーイ型が多いのは、限られた一般家屋のスペースにおいて、空間を奇麗に広く描くことと音のエネルギーを両立させた結果ではないかと思います。


今まで色々なスピーカーを聴きましたが、流線形の水滴型の箱も個人的には好きです。付帯音を削り取って音だけが空に佇む感じがよく出ますし、例えばB&WのSignature 805などでは、それでしか得られないような澄んだ世界が広がります。


それとは逆に、シンプルで堅牢な四角い箱のDynaudioの低域は細らせずに太く描写しているように感じられますが、それはウーファーに相当のエネルギーを要求した結果ではないかと思いますし、そういった音を出すためには付帯音と共にエネルギー感までをも削ってしまうわけにはいかないのかもしれません。                     


一世代前のCONFIDENCEシリーズとはかなり設計が異なっています。


C2と同じくフロア型であるCONFIDENCE 5では、下からツイーター、スコーカー、ウーファーとする倒立配置で、密閉型のエンクロージャーをユニット毎に分割し、ウーファーの後ろに同相のウーファーを仕込み、エンクロージャー内のエネルギーを抑え込むという構造でした。


C2のツイーターはESOTAR2です。ネットワークは定インピーダンス設計だということなので、CONFIDENCE 5等と比べ、パワーアンプの選択が比較的容易になり、鳴らしやすくなっているらしいです。


ユニットは仮想同軸のような配置ですが、一般的な仮想同軸と違い、ツイーターが2基あります。クロスオーバーも上部と下部では2.2kHz/8kHzと随分異なっています。これらはDDC(ディナウディオ・ディレクティビティ・コントロール)と名付けられており、指向性を制御して反射音の影響を減らしていると謳われています。クロスオーバーに関しては、小型2wayのCONFIDENCE 3だと2.6kHz、フロア型3wayのCONFIDENCE 5では4kHzですから、C2の8kHzのクロスというのは、3way的な中域を出すためのものでもあるのかもしれません。


バスレフポートは、若干無理があるとも思えるエンクロージャーの形状から生まれる大きな余剰エネルギーを逃がしつつ、低域の増強も兼ねた物と思えます。カタログスペック上では28Hz-25kHz(±3dB)とされていますが、30Hzあたりでほぼ完全にポートのみから低音が出るようになっています。つまりウーファーからリニアに出てはいないわけですが、そもそも30Hzの波長など10m以上ありますから、完璧に再生させようと思うと50畳とか60畳が必要になってしまいます。聴いてわかる範囲ですが、C2でウーファー自体から音圧が下がらずちゃんと出せているのは60Hzくらいまでなので、マニュアルで想定されている8畳程度なら、若干足りない程度かあるいはギリギリカバー出来る範囲だと思います。


しかし何故、それより下の帯域まで出しているのかと言えば、波形が完璧に再現出来ないからといって無くしてしまう事がベターではないという判断なのでしょう。やはり有ると無いとでは、有った方が良いのだと思います。


上位機種であるCONFIDENCE C4では、リアポートの位置がキャビネットの最上部と最下部に位置していて、おそらく相当に低い帯域を出しているでしょうから、余剰エネルギー排除の役割が非常に大きいのではないでしょうか。


特徴的な外観ですが、エンクロージャーとフロントバッフルがダンピング材を介して分離されていて、ネットワークの収められているベースとも分離されているらしく、エンクロージャーはもとより、最終的に床へ伝わる振動がかなり小さくなっているように思います。フロントバッフルはかなり硬く、比較的柔らかなエンクロージャーとは対照的です。上下に長く柔らかなエンクロージャーは、振動の減衰に一役買っていそうです。フロントバッフルが独立している事により、エンクロージャーは低域再生のための容量稼ぎとしてだけでなく、事実上小型2waySPであるフロントバッフル部分を支持するスタンドと見る事もできます。バスレフのリアポートの位置は、フロントバッフルの直ぐ下にあり、このスピーカーで再生可能な全体域が、2基のツイーター間を中心とした上下40㎝以内で発音されています。これが上位機種のCONFIDENCE C4では、3wayとなる事によって上下一対のウーファーが追加され、バスレフポートの位置も、キャビネットの背面の最上部と最低部に一つずつとなり、発音部は広く分散されております。これは上位機種であるEVIDENCEに近い形であり、その点から見ると、C2というモデルこそが異端とも言えます。


このように様々な要因から、C2というモデルは、2m程度という近距離で、広いFレンジと正確な定位からくる広い音場を、可能な限り高い次元で両立せんがための設計であるように思えてなりません。

Confidence C2は、EVIDENCE、CONSEQUENCEに続く、CONFIDENCE Cシリーズの中堅機です。上位機種にはConfidence C4があります。


購入時の定価は1,700,000円(1,785,000円/税込)でした。その後値下げされ、1,450,000円(1,522,500円/税込)になっています。海外定価は12,000ドルですから、以前の定価だとレート計算上は1ドルが約142円で、現在の定価では1ドル約121円になっています。ヨーロッパ圏の定価では10,500ユーロ、実売価格だと7,999ユーロというのをネット上で見たことがあります。レート計算上は、定価178万だと約162円、定価152万だと約138円になりますから、世界中何処でもだいたい同じくらいの価格で買えるようです。2008年からの急激な円高によって、1ドル85円とか1ユーロ109円などという水準になりましたが、世界的な不況ということもあり、一概に割高割安を断ずる事は出来ないでしょう。デフレ独国日本においては小売業者を中心に値下げコールがありますが、市場全体を冷静に見回せば、円高還元程度の値下げで市場全体の販売不振を挽回できるはずもなく、Dynaudioというブランドのファンの一人としては、着実に利益を確保して企業の存続に努めて欲しいところです。Dynaudio自身、無闇な拡大戦略はとらず、率直に値上げする事を述べていますから、心配はいらないでしょう。


なお、一世代前のCONFIDENCEシリーズのトップモデルであるCONFIDENCE 5は、最終定価1,500,000円(1,575,000円/税込)で海外定価は10,000ドルでしたから、レート計算上では1ドルが150円となり、フルモデルチェンジによって実質定価ベースでは随分と大幅な値下げを行ったと見えます。


CONFIDENCE Cシリーズは、センタースピーカーを除くと、C1、C2、C4がありますが、海外のカタログにはC7というモデル名と、実物写真ではなく絵が載っています。C1は小型2wayでユニット総数は2基、C2がフロア型2(3)wayでユニット総数が4基、C4がフロア型3(4)wayでユニット総数が6基です。スピーカーシステムの構成としては、3wayでユニット総数が4基であるCONFIDENCE 5の拡大版の後継機がC4であり、小型2wayであるCONFIDENCE 3の後継がC1であるように見ることができます。C2は、悪く言えば価格差穴埋めのためのまさに中堅モデル、良く言えばCONFIDENCE 5の縮小版の後継機と言えそうです。無論、玄茶屋としては後者の言い分を採用したいところで、更に言うならば、CONFIDENCE 5とは異なる理念で、一般家庭における最上クラスの音楽再生を実現したモデルです。


玄茶室は普通よりも手狭な方だと思いますが、少々普通とは言い難い対策を施すことで一般家庭の8畳程と同等とした空間で鳴らされたC2の帯域バランスは、数十畳というかなり広い空間で聴いたEVIDENCE MASTERと近く感じられました。


CONFIDENCE C2は、Dynaudioの新しい流れの中の製品でも一際異彩を放つ作りをしているスピーカーですが、いずれの位置付けにせよ、出てくる音に関しては、正にリファレンスの流れを汲んだ製品である事に間違いはありません。

非常に音色の色彩が豊かでみずみずしく、ソフトドームとは思えないほど伸びの良い高域と、厚みがあってエネルギー感のある中域、芯がありつつ深く伸びる低域が、それぞれ上下の帯域の境界がわからないほど良くつながり、まとまっています。


空間の透明度も非常に高く、SPの前に出る音やエネルギーと奥へ展開する音や減衰する余韻が、視覚的に見えるほどのリアリティを持ちながら手前も奥も質的な差は感じられず、聴感的に違和感がありません。全域において前後左右の空間全体で一体感があります。自由で開放感のある空間に、一音一音の距離が整理されて音場が形成されているので、閉塞感や束縛感は感じられません。


事実上Fレンジの広い2wayですが、聴感上、中域にディップや濁りは感じられず、むしろ非常に澄んで聴こえます。低域はバスレフそのものの出方ですが、ユニットから出る音とポートの音とのつながりは非常に良く、境界部分の判別は困難です。


全域で高いエネルギー感を出しますが、音像表面のディテールからくる感触は柔らかく、立ち上がりの速さや鋭さよりは、響きの美しさに耳が向きます。そのため、弦楽器のソロなどでは利点が目立ちますが、オーケストラなどで揃った演奏の際には、音圧のピークまでの瞬発力に若干の不足を感じることもあります。ただし、それが目立った欠点としてストレスを感じるわけではなく、同水準でその点を得意とする全く異なる傾向の製品なら聴いたことがあるものの、それにはまた別の欠点があるというだけの話です。


逆に、異なる傾向の製品では、塊としてのエネルギー感と瞬発力の両立が最終的に自分の望む形にはなり難いと思った故のC2という選択でしたから、望んだ通りの傾向であると言えます。


基本的に、奥行き方向への音場展開を得意とするスピーカーですが、高域、中域、低域が驚くほど上下にブレませんから、室内の反射音を整えてやれば前に出るべき音はグイグイと前に出るようになります。

一般的な6畳の部屋には、短辺側にSPをセットする場合と、長辺側にSPをセットする場合があると思います。


どちらが良いかは一概には言えません。


一般論としては、低域のかぶりを解消させやすいのは長辺側だと思います。しかし、例えば3way以上のユニットが縦一列に並んでいるようなSPでは、SPと聴取位置の距離をなるべく取らないと、音像が帯域別にズレて音像の位置や音場そのものを崩してしまう事があります。そのような場合は、短辺側で聴取位置との距離を優先して調節した方が、最終的には上手く行く可能性が高いと思います。


個人的には、SPと聴取位置との距離を最優先に設定すべきだと考えています。低域や一次反射などは、後からでも対策は可能ですが、SPと聴取位置との距離を後からどうこうするのは不可能ですし、それによって崩れた音像や音場も、どうにもできないからです。ただし、SPとの距離と言っても必要な距離は機種ごとにそれぞれ異なりますから、実際にはやっぱりどちらが良いと言えるものではありません。


C2の場合、マニュアルに指定してあるスピーカーと聴取位置との標準距離は2mで、実際には1.9mでも大丈夫でしたから、一般的な6畳のサイズの部屋であれば、短辺側でも長辺側でも置けるでしょう。


最終的な判断は実際に色々な置き方を試してみないとわかりませんが、経験的に一つ言える確かなことは、王道は強いということです。短辺側置きや長辺側置き、それぞれの前後逆はもとより、部屋のコーナーを正面としたセッティングや、そこまで行かずとも部屋の中心をあえて外して左右非対称に使うオフセットセッティング、今まで使ってきたオーディオで遊びも含めれば、馬鹿みたいな事まで散々やりました。そして最終的に落ち着いたのは、ほぼ聴き手とSPが正三角形で部屋の左右がなるべく均等になる基本的な短辺側置きでした。


SPの内振りに関しては、マニュアルでは積極的に調整する事を推奨しているようです。基本は聴取位置後方数十㎝で交差させる角度となると思います。ただし、左右の壁の一次反射面次第で最適な角度が色々と変わります。一次反射面の角度を変えられるようにしてから色々と試しましたが、反射音の調整次第でほとんど内振りを無くすセッティングでも、ストレス無く違和感の無い音場構成はできました。


しかし、王道はやはり適度な内振りと、聴取位置へ音圧を集中させる角度の反射壁の存在です。聴取位置直上の天井の傾斜面をSP側へ向け、左右の壁の傾斜面を聴取位置側へ向ける事で、音像が上ブレることなく奥行きも損なわずに前に出るべき音が前に出て、前後左右に広大な音場形成が可能です。

このスピーカーで聴いたことがあるアンプは、当たり前ですが所有している200V仕様のGOLDMUND MIMESIS 28 EVOLUTIONと、オーディオショウで聴いた某国産ガレージメーカー製のアンプだけです。


以前使用していたB&WのMatrix 802 Series3というスピーカーや、今はもう別のお店になってしまった元ダイナミックオーディオ・アクセサリーセンターで聴いた様々なスピーカーでは、かなり沢山のアンプを聴いてきました。そのような経験から、C2は今持っている28EVO(200V仕様)で充分に鳴らせている状態と感じています。完璧かどうかは永遠の課題ですが、とりあえず不足はないでしょう。アンプとスピーカーの相性という意味でも、とても良い部類だと思います。


実はこのスピーカーを購入後、色々と忙しくなってしまって、まともにお店に試聴しに行けなくなってしまっています。いずれ、色々なアンプで鳴らされたC2を聴いてみたいものです。

マニュアルに記載されている基本の設置間隔は、左右のスピーカー間が2m、スピーカーから聴取位置までの間が2mです。ただし、左右のスピーカー間はスピーカーから聴取位置までの間よりも狭くするのが原則とされています。そして、スピーカー背後の壁までは50㎝以上空け、SP横の壁までも同じく50㎝以上空けます。


それらの条件を実際の部屋の大きさに当てはめてみると、基本サイズとしてはだいたい300cm×352cm(江戸間8畳程度)の広さが、CONFIDENCE C2を使用する部屋として想定されているようです。そしてセッティングの際には通常、基本的に自由の利かないスピーカーから聴取位置までの間の距離を基準としますので、スピーカーから聴取位置までの間が2mなのであれば、左右のスピーカー間は180cm〜190cm程度にするのが自然です。そうすると、マニュアルの解釈次第で286cm×382cmの本間6畳程度でもCONFIDENCE C2の設計上想定された部屋の広さの範囲内にはなんとか収まりそうです。誤解を恐れず大胆に言ってしまえば、CONFIDENCE C2は6畳間で鳴らせるよう設計されているとマニュアルに書いてあるという事です。


旧玄茶室では、左右のスピーカー間が約163㎝、スピーカーから聴取位置までの間が約190㎝でした。スピーカー背後の壁とは約37㎝、横の壁とは約43㎝離れていました。全体的に、想定されているセッティングよりも一回り小さな状態ですが、左右壁面の音響板との距離やスピーカー背後の壁面までの距離を、一次反射を基準に㎜単位で丁寧に揃えたり、天井の石膏ボードを取り外して30㎝ほど天井を高めてしまう等することで、ホールの奥まで良く見通せるような音場が得られ、聴感上耳障りになるような低域の膨張感はほぼ取り除けました。これは、そこそこ広めの試聴室でも取り除けなかったものです。


どんなスタイルにも当てはまるというわけではないでしょうが、少なくとも自分の経験に限っては、重要なのは部屋の広さではなく、部屋の縦横高さの寸法比です。


実際にスピーカーからサイン波を再生してみると、部屋の寸法比から生じる定在波が、聴取位置では低域の特に50〜60Hz付近に耳障りな圧迫感膨張感を伴うピークとして感じられたのですけれども、天井高の調整により相当解消されている事が確認できました。


天井高などはかなり裏技的ですが、それができずとも部屋のコーナーやスピーカーの真横の壁など、要所要所に吸音材のトラップを仕込めばなんとかなります。天井高を稼いだ上で更にトラップを使えば、セッティングの自由度が増す事でしょう。


CONFIDENCE C2は、その背の高い大きな見た目に反し、オーディオ専用に江戸間6畳の空間があれば、極端な対策を施さずとも充分良い音で鳴らす事ができるスピーカーです。ただし、耳の高さをツイーターに合わせるとか、吸音材や部屋全体での音響を考えるという基本的なポイントは外せません。DDCという設計もあり、耳の高さには比較的シビアです。ツイーターの位置が高いので、特に2m程度のマニュアル基準距離で聴く場合、沈み込むソファーでは耳の高さが低過ぎて音場の高さ方向が損なわれます。空間表現を重視するならば、高さ調節可能なオフィスチェア等を選択する必要が在るでしょう。


CONFIDENCE C2に限らず基本的な事ですが、床面積が広ければ何でも良いという考えは間違いです。広さを基点にした考え方は、室内で発生する各周波数の疎密がどのように発生するかという問題を捉えたものですから、前後左右という2次元ではなく、高さも含めた3次元を前提としなければ現実と一致しません。


よくコップに入った水を揺らす例えを聞きますが、それで説明出来るのは擬似的な疎密の発生を視覚的に捉えるところまでで、コップの大きさ以上の波は溢れてしまうから波長の長い低域は無理などという説明は、非常に乱暴なものですから注意が必要です。部屋の空気は水ではありませんし、部屋の中と外が水と空気ほどの異なる物質になっているわけでもありませんから、コップの例えの見た目と、実際の音波の観測はまず一致しません。普通の部屋に納まらないような長い波長の音は透過しやすいですし、折り返しの波長が重なりませんから、かえって音楽再生において問題は起き難いものです。問題が起きるのは、むしろ部屋の中に収まる波長の方です。


また、部屋を斜めに使うのは単に一次反射の距離を稼ぐだけの意味で、当たり前ですが図面上横向きを斜め向きに見ただけで平行面が存在しなくなるわけがありませんから、根本的な解決にはなり得ません。かえってスピーカーの設置スペースの自由度が損なわれる場合が多いと思われますので、素直に左右の壁に反射板等を使用して対策した方が難易度は低いでしょう。


ただし、一般的に売られている反射板や拡散板は非常によく鳴きますから、見た目の仕上げを除けば、高価な市販品よりも合板による自作反射板の方が良いでしょう。ただの合板にクッションを縫い付けるだけでも相当良い物が出来ます。フローリングなど、実用との兼ね合いで仕方の無い部分はともかくとして、積極的に部屋の響きを再生音に乗せるようなことは避けましょう。

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